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プログラミングスクールは40代でも効果があるのか。通った本人が答え合わせする

42歳でプログラミングスクール(テックキャンプ)に通った氷河期世代が「効果はあったのか」に正直に答えます。エンジニアになれなくても残った3つのもの、若さに勝てなかったこと、そして60万円と5万円の分かれ目。

先日、GitHub(プログラムを保管しておくサービス)から一通のメールが届きました。

「あなたのプログラムに、セキュリティ上の弱点が見つかりました」

開いてみると、対象は42歳のとき、プログラミングスクールの課題で作ったチャットアプリでした。エンジニアになれなかった男の課題作品の残骸に、GitHubは今でも律儀に安否確認をくれます。

では、あの数ヶ月は無駄だったのか。

結論から書きます。無駄ではありませんでした。 タイムマシンで受講前の自分に会えるなら、迷わず「行け」と言います。ただし、ひとつだけ条件をつけて。

「60万円を払う前に、公的制度を探せ」

この記事では、40代でプログラミングスクールに通うと実際どうなるのかを、通った本人が答え合わせします。


私のスペック(答え合わせの前提)

  • 受講当時42〜43歳。転職13回の氷河期世代
  • 自治体主催のかたちで開催されていたテックキャンプ。受講料は約5万円(自腹で通えば数十万円かかるところでした)
  • 学んだのはRuby on Rails、HTML/CSS、JavaScript、AWSなど
  • 結果:エンジニアには転職していません。 今は計測機器メーカーの修理係です

通った経緯は職業訓練校と同時受講した体験談に書いたので、ここでは省きます。この記事は「で、効果はあったの?」への回答編です。

エンジニアになれなかった人間の答え合わせだからこそ、書ける本音があると思っています。


効果はあったのか——残った3つのもの

① マクロを「作れる側」になった

今の職場では、Excelのマクロを使うことも、自分で作ることもあります。プログラミングの基礎があるので、「こういう処理を、こういう順番でやらせればいい」という組み立てができる。

最近はAIにマクロを書かせることも増えましたが、基礎があると、AIが出したコードの意味がなんとなく読めます。動かないときに「ここが違う」と気づける。この差は、想像以上に大きいです。

HTMLもCSSもJSONも「まったくの初めてではない」という状態は、新しい道具を覚えるときの心理的なハードルをぐっと下げてくれます。かじっておいたことは、こうして次の道具につながっていきます。

② システムを作る人と、話が早くなった

バックエンドとフロントエンド、データベースの作り方、AWSのようなクラウド。スクールで一通りかじったおかげで、自分の会社のアプリが「どう作られているか」を作る側の視点で見られるようになりました。

社内のシステム担当と話すとき、こちらがその視点で質問すると、話が早い。「わかっている側」として扱ってもらえます。エンジニアにならなくても、エンジニアと同じ言葉が話せる——これは職場でじわじわ効いてくる財産です。

③ 考え方の「型」が手に入った

アルゴリズムとは何か。ロジックを順に組み立てるとはどういうことか。

この型は、プログラミング以外でも使えます。修理の仕事で原因を切り分けるときも、手順を組んで仕組み化するときも、根っこは同じです。言語の文法は忘れても、一度身についた型は残ります。


正直に言う。40代でキツかったこと

年齢です。 これはきれいごと抜きに書いておきます。

周りの20代は、飲み込みが早い。作業も早い。こちらは理解にちょっと時間がかかり、作業にもちょっと時間がかかる。この「ちょっと」が積み重なると、はっきり差になります。「若いうちにこういうものがあったらなあ」と何度も思いました。

エラーの見つけ方にも、世代の違いが出ます。ゲームにたとえるなら——

僕らは、正規ルートでクリアしてから裏技を使う世代。若い子は、いきなりチートから入る。

基礎から順を追って考える私たちに対して、若い人は発想をポンと飛び越えていく。どちらが優秀という話ではなく、攻略スタイルの違いです。ただ、スピード勝負では確実に負けます。そこは覚悟して行ったほうがいい。


それでも、40代が勝てたこと

飲み込みの速さで負けて、場数で勝つ。これが40代の戦い方です。

いい意味で、図々しい。 若い子がおじけづいて手を出せないことを、こちらは平気な顔でやれる。似たような場面を、仕事で何度もくぐってきたからです。若い人は自信がないのか、もじもじする場面が多い。おかげで自然とリーダーシップを取る側に回れました。

裏が読める。 受講中、就職斡旋で企業の人が説明に来ることがありました。担当者は私と同年代。話を聞いていると、若い受講生を相手に少し舐めてかかっているのが透けて見える。こちらは同じ40代なので、その裏側が見えるぶん、突っ込んだ質問ができました。

20年働いてきた経験は、教室の中でもちゃんと武器になります。


結論:行け。ただし60万円を払う前に、公的制度を探せ

「どんな40代なら行く価値があるか」とよく聞かれそうですが、私の答えは単純です。

学べる機会が目の前にあるなら、すぐ行ったほうがいい。 40代だろうが関係ない。がむしゃらにやったほうがいい。無駄は、ひとつもありませんでした。

ただし、お金の話は正直に書きます。私が即決できたのは5万円だったからです。自腹で60万円と言われていたら、行かなかったかもしれません。

だからこそ伝えたいのが、探し方です。

  • 都道府県のIT人材育成事業:私が通ったのはこの形でした。自治体が費用の大半を持ってくれるので、桁がひとつ変わります。「(県名) IT人材育成 講座」などで検索してみてください
  • 職業訓練(ハロートレーニング):ハローワーク経由。条件が合えば失業給付を受けながら学べます
  • 教育訓練給付制度:雇用保険に入っていれば、受講料の一部が戻ってくる制度。対象講座は厚生労働省のサイトで検索できます

高い受講料をローンで払う前に、この3つを調べる。40代の学び直しは、まず「安く学べる枠」を探すところから始まります。


あのチャットアプリは、もう二度と動くことはありません。GitHubの片隅で、たまにセキュリティのお知らせを受け取るだけの余生です。

でも、あれを作った数ヶ月は、今も私の中で動いています。

40代の学び直しに、遅すぎるはありませんでした。


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